「ブッダの智慧で答えます」(Q&A)
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釈迦尊の教え・あなたとの対話 ホームページに寄せられたご質問から
(4) 能力についての質問(2001.4月)
Q: 現在私は、会社で管理職の地位に就いている、34歳の男性です。(家庭もあり、子供が3人います。)会社では中間の地位にありますが、自分に能力がないので、それがかなりのストレスになり、今自分を見失いそうです。
 能力の開発は自分なりに努力しているのですが、追い付かないのが現状です。
会社は、辞めたくは有りません。どう努力すれば良いかアドバイスをお願い致します。

A:
 ○○ 様、
 早々に返事を書けなかったことはお詫びを申し上げます。
無意味な能力開発思考を止めて下さい。いままで能力を開発するために真面目に努力をなさったと思います。
それなのに、結果は「自分を見失いそう」であるならば「アホらしい」努力を止めるのは賢明な判断です。
 何故いつも、「能力、能力、能力、…」ばかりを妄念、妄想、妄言、妄作して自分が本来もっている体力、精神力、活動力を浪費しているのでしょうかと観察してみて下さい。自分のことだからわかるだろうと思います。
 
 暗くて小さな箱の中に入って生活しても箱の壁に針で穴を開けて目を当てると、「なんと摩訶不思議」、外の世界が見えるのではないでしょうか。でも、穴から見える世界は箱に入っている人にとってはあまりにも大きい、否、大き過ぎです。
箱を破ることは出来なくなるのです。
「自分も世界ほどに大きかったならば箱を破れるのに」と思うでしょう。
 
箱を破った人々は世界と同じ位に大きかった訳ではありません。
この「自我」という箱は破っても、破らなくても自分の大きさは変わらないのです。
 
 議題は「箱」を破るか、破らないかにあります。自分が大きくなるべきか、強くなるべきか、美しくなるべきか、醜くなるべきか、もっと若くなるべきか等は問題にならないのです。問題として考えてみてもどうにもならないことです。
 自分という存在を変えることはできないのです。(猫を犬に変えることと同じです。猫は犬になることを考えずに猫として何ができるかと調べたらいいのに。)
 
能力のことはどうでもいいのだから自我(自分のことばかり過剰意識すること)を壊して下さい。(これだけではわからないと思いますが)
 
 具体的な意見を述べさせていただきます。
「能力がない」と泣いている人々は外を見て、「△△様のようになりたい」と思っているのです。何かを見たら、何かに驚いたら、感心したらそれと同じになりたいと思ってしまいます。このように思う権利は子供のもので大人には無いのです。大人は○○さんにも××さんにもならないのです。
 ですから陰気な能力開発を永久的に止めて「今の私に出来ることは何ですか」と問うてみて下さい。自分に聞いて見て下さい。伺って見て下さい。
 
 34歳で管理職員で、中間の地位と言えば調子の良いほうではないでしょうか。自分に出来ること、自分だけに出来ることなどがいっぱいあると思います。自分の人格が固められる歳になりましたから「雲を追う」人生ではなく「土を掘る」人生は具体的です。
 自分に出来ることだけを果たして下さい。自分に出来ることにのみ力を入れて下さい。自分にできることについては「他人が口を挟めないように」と精進してみてください。(--だからといって他人や世界が自分を批判しないと言うことにはなりませんが--)
 この世が必要としているのは能力・力士ではなく役に立つ人々です。自分が役に立てば好いのです。「能力バカ」にならなくても役に立つ人は可愛いのです。
 自分の仕事を喜んで下さい。果たす一つ一つの仕事について、「うまく行った、これで良し」と言う気持ちを味わえるように努力してください。
 
(あなたは、もしかすると真面目に仕事をしない人間ではないかという疑いが私にあります。)
真面目に仕事をしなかった場合、後味が悪くてこころが後悔することになります。他から批判もされます。批判は的中だからさらにこころに傷がつきます。そのときこころが逃げ道として能力を言う鎧をかぶります。
 仕事の仲間に対して慈しみを育ててください。彼らが敵でも、ライバルでもなく運命を共にする兄弟だと、親しみが育つようにしてください。後輩の才能に能力に(あればの話)正直に驚いてあげてください。誉めてあげてください。助けてもらうようにして下さい。
 先輩の能力、才能についても誉めてあげる習慣を身に付けるようにして下さい。驚かなくても結構です。頼りにしないで下さい。
人生を楽しんでください。
以上。
 
三宝のご加護がありますように。
スマナサーラ
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