「ブッダの智慧で答えます」(Q&A)
Sabbe satta bhavantu sukhitatta
HOME「ブッダの智慧で答えます」(Q&A) →(16) 仏教の目的について(2001.7月)
釈迦尊の教え・あなたとの対話 ホームページに寄せられたご質問から
(16) 仏教の目的について(2001.7月)
Q:仏教の目的についてですが、私としては、苦(不安)からの開放だと思っているのですが、如何なものでしょうか?何を今更、馬鹿な事を言っているのだと言われそうですが、それを腹に入れて置かないとあちこちに迷ってしまいそうな気が私自身したものですから、確認の意味でご教授お願いします。よろしくお願いいたします。

A:お釈迦さまが悩み、苦しみ、不安、不満、生老病死、憂い、悲しみなどから脱出する道を説かれているのです。
 
!:では他の教えはそうではないのでしょうか?
 
A:いいえ、違います。皆が苦しみをなくす方法と幸福になる方法を教えようとしているのです。科学者は人を苦しましてやるという目的は持ってないのです。経済学、哲学、文学、政治思想も同じく、人の幸せになる道を考えているのです。
 
!:では何故みな幸せにならないのでしょうか?
 
A:病気の例で考えて見ます。病気の人をお呪( まじな)いで治す、気功で治す、指圧で治す、西洋の方法で直す、漢方で直す、自然の力に任すなど色々方法があります。早く完治できる方法は良いに決まっている。ではどちらが良いのかと迷う。 この場合はだいたい信仰で治療方法を選ぶのです。
 
実は、その病気に原因があります。その原因を完全に取り除くことで治るのです。要は、誰がその原因と取り除く方法を分かっているのでしょうかということです。
 
人類の苦しみ、不安の原因は何でしょうかと聞いてみましょう。経済学者は貧困だという。政治家が完全な管理システムがないとき現れる政治不安だという。文学者はより深く人生を楽しまないからだという。また、「好き合う人がいないこと、家族がいないこと、社会との関わりが上手でないこと、神を否定すること、原罪、悪魔、悪霊」等など色々いうでしょうと思います。社会が幸せにならないのはそれらの原因が、一義あるかもしれませんが、決して正しくないからです。
 
さらに、これらの思考に一つハンディがあります。皆、皆の幸せより自分の幸せを考えているのです。科学者は自分の幸福、名誉、利益のために研究するのです。政治家が自分で権力を握って幸せになることを考えているのです。…ですから「自分が幸せになるなら多少の○○○はしょうがないと思っているのです。結局は「自利」に目が暗んで本当の原因はみえなくなるのです。
 
 お釈迦様が「全ての苦しみの原因はこころにある」と説かれます。例えば食い過ぎてお腹を壊したとしましょう。それは豪華な、美味しいご馳走がいっぱい有ったから起きた事件ではないのです。原因は食いすぎた人のこころの欲です。 犯人は他人ではなく被害者のつもりでいる自分なのです。 人々が限りない欲で、怒りで、また無知で汚れているこころで物事を考えて判断して外の世界で幸せを探しているのです。自分のこころの汚れの原因で苦しんでいることに気つかないのです。世の中は 「色盲の人に色分けの仕事を任された」 ような状態です。
ですから結論として言えるのは「仏陀は幸せを説く」 と言うことです。
 
!:何を今更、馬鹿な事を言っているのだと言われそうですが、

A:「仏陀が苦しみから開放」を説いたことはご自分でも知っているのになぜこれは大事な質問でしょうか?心の中は曖昧で、混乱しているように見えます。何かを決めること、判断することが出来なくて困っている性格でしょう。こころの中に無数の固定概念が激しく争っているようです。以下の質問を自分に聞いて見て下さい。自分個人の問題が見えてくる可能性があります。
 
●では、仏陀は苦しみを説いているのですか?
●仏陀の道はどのようなものだと思っているのでしょうか?
●宗教といえばどんなイメージをもっているのでしょうか?
●仏陀の教えに対しても同じイメージをもっているのでしょうか?
●だれでも同じことを仰っているのだと思いますか?
●自分が人生に何を期待しているのでしょうか?
●宗教から何を期待しているのですか?
●仏教からはその期待に答えを見つかりそうもないと思われますか?
●仏陀の教えで他の方法とだぶって考えるところはありますか?
●そのだぶって考えるところは何ですか?
 
人の思考というものは間違っている方が多いのです。それ自体が恥ずかしいことではありません。でも自分が何を考えているのか、自分の意見は何なのかとは明晰にした方が楽です。そうすると対照もできるし、間違っていると分かったら直しやすいのです。
三宝のご加護がありますように。
スマナサーラ
 

←目次へ戻る
HOME「ブッダの智慧で答えます」(Q&A) →(16) 仏教の目的について(2001.7月)
© 2000-2005 Japan Theravada Buddhist Association.