智慧の扉

2020年1月号

輝く「自尊心」をつくる四つの実践

アルボムッレ・スマナサーラ長老

 誰からも好かれる、信頼される人間になるための、四つの実践項目(四摂事)があります。一番目「dāna 施し」です。意味は、人を助けることです。仕事をして給料をもらうことは施しになりません。自分がした仕事で会社が助かっている、ということは当然その通りなのですが、会社は社員に給料を払っています。施しというのは、例えば公共の場をキレイにする、災害があったところに行ってボランティア活動するなどです。誰も給料はくれません。そのようなことを言います。

 二番目「peyyavajja 愛語」です。これは他者の尊厳を守って話すことです。何かを喋るときは、必ず相手の尊厳を守ってください。例えば子供が悪さをしたら叱ってもいいのですが、子供の尊厳は守ってください。自分の言葉で他人を傷つけることはしない。
 
 三番目「atthacariya 利行」です。人の役に立つことをする。一番目の「施し」と違うポイントは、相手が知らないことを教えてあげる、相手ができないことに協力してあげる、自分の能力を相手のために使う、ということです。
 
 四番目「samānattatā 同事」です。生命は平等であることを理解すること。これは、とても大事なことです。業によって多種多様の動物や昆虫たちがいて、様々な人間たちもいますが、同じ生命です。そういう平等の気持ちを理解してください。

 この四つを実践すれば、しっかり自己管理ができます。結果として、他人から好かれる、信頼される人間になれるのです。私たちには、もともと醜い自尊心しかありません。自分とは貪瞋痴・無明の塊です。そんな自分は何もありがたくない、暗黒です。ですから、醜い自尊心を捨てて、美しい自尊心を新しく作ってほしいのです。煩悩に立ち向かい、善を行い、慈しみを実践し、輝く自尊心を作るのです。この四つを実践する人ならば、他人から尊敬されます。自分自身も充実を感じることができます。お釈迦様は「自分自身のことを好きと思うならば、自分自身を守りなさい」と説かれているのです。